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従業員番号から氏名を自動入力するには
事務仕事で頻繁に用いられるExcel。
何かのリストを作成する業務では、関数を効果的に使えるかどうかで作成時間が大きく変わります。
例えば、次のような「研修参加者リスト」を作成する業務を考えます。
参加者の従業員番号から氏名・所属を自動入力する方法を考えてみましょう。
全社員リスト(マスター)は存在するものとし、今回は同シート内右側に表示しています。
VLOOKUP関数の基本的な使い方
今回のケースで効果的なのは「Vlookup関数」です。
従業員番号のように何かのキーワードを使ってリストから対応する氏名などの項目を表示する関数です。
Excelで初めて関数を利用する方のために、関数の挿入方法から順番に解説します。
関数の挿入方法
関数は慣れていればセルに手入力することも可能ですが、ここでは「関数の挿入」ボタンを使用します。
まずは上部にある「関数の挿入」ボタンを押します。
「関数の挿入」ダイアログボックスが表示されます。
ここでVlookup関数を指定します。
「関数の分類」で「すべて表示」を選択します。
「関数名」にカーソルを置いた状態で、「vl」とキーボード入力するとVlookup関数が検索されて表示されます。
関数が選択れた状態で「OK」を押します。
「関数の引数」ダイアログボックスが表示されます。
続けてVlookup関数を定義します。
VLOOKUP関数の定義
Vlookup関数の引数を指定して定義します。
「引数」はパラメータとも呼ばれ、関数に渡す値のことです。
プログラムに慣れていない方はあまり馴染みのない言葉ですが、何かの処理を実行するための「材料」のようなものという認識で構いません。
また、「材料」を引数とするなら、「完成品」にあたるものは「返り値(数式の結果)」となります。
今回のVlookup関数は次のように定義します。
=VLOOKUP(B3,$F$3:$J$14,2,FALSE)
どうしてこのような形になるのか、引数の詳細を解説していきます。
引数の詳細
Vlookup関数の引数は次の通りです。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
4種類の引数を一つひとつ紹介します。
検索値
Vlookup関数における検索値は、次に指定する範囲から特定の値を検索するためのキーワードとなります。
今回の検索値は「従業員番号」です。
従業員番号の入ったセル「B3」を指定します。
範囲
範囲は「検索値」と「関数の返り値」を含むセル範囲を選択します。
今回は検索値が従業員番号、返り値は氏名となります。
返り値の右側はどれだけ列が余っても構いません。
今回は全社員リスト全体を範囲としました。
このとき、絶対参照で範囲を選択しておきます。
絶対参照はF4キーで指定できます。
セル番号にドルマーク($)が追加されていることを確認します。
列番号
列番号は返り値のある列のことです。
範囲指定した部分で左から何番目にあるかを数値で指定します。
今回の全社員リストで「氏名」は2番目にあるので列番号は「2」となります。
検索設定
検索設定は数値の「近似一致(TRUE)」と「完全一致(FALSE)」の選択となります。
近似一致を選択した場合、「検索値以下の最大値」が返り値となります。
従業員番号のように決まりきった数値を検索値とする場合、近似値を使う意味がありません。
そのため「完全一致(FALSE)」にします。
VLOOKUP関数のコピー
作成した関数に問題がなければ、作成予定リストの全ての行に反映させます。
オートフィルで関数をコピーすることで氏名が正しく表示されました。
オートフィル使用時に「#N/A」のエラーが表示された場合、参照方法に間違いがある可能性があります。
検索値が「相対参照」、範囲が「絶対参照」になっていることを確認しましょう。
従業員番号から所属を自動入力
ここまで従業員番号から氏名を自動入力する方法を紹介しました。
続いて、同リストを使用して所属を自動入力する方法を考えてみます。
これまで紹介した内容が理解できていれば、ピンと来るかと思います。
「検索値」は同様で、「範囲」も同様。「検索方法」も同様です。
正解は以下の通りです。
列番号が「3」に変わった以外は全て氏名の時と同様です。
=VLOOKUP(B3,$F$3:$J$14,3,FALSE)
まとめ
従業員番号から氏名・所属を自動入力する方法、Vlookup関数の基本と使い方について紹介しました。
- 従業員番号から氏名を自動入力するにはVLOOKUP関数が便利
- VLOOKUPはある検索値から範囲内の特定の値を返す関数
- VLOOKUP関数の引数は「検索値」「範囲」「列番号」「検索方法」の4つ
本サイトでは応用としてVlookup関数で2番目以降のデータを取得する方法や参照データに誤記があってもVlookup関数で参照する方法も紹介しています。